人と人とをつなぐ力 - NPOしんじん・るい

NPOしんじん・るい」は、2022年4月の発足以来、代表者お二人ご自身の課題意識に基づいて活動されていること、トアエルは活動の初動期から関わらせていただいていることから、トアエルから当プロジェクトへの参加を推薦しました。本団体は非常にフットワークが軽く、積極的なSNS発信に加え常にアンテナを張って次々と連携先を新規開拓し、こども食堂や地域活動の中に還元しておられます。我々も活動を拝見するなかで、こども食堂以外に子どもたちの学習支援、日本語教室、カウンセリング、まちづくりなど多方面に取り組もうとされていることが分かりました。

活動を進める中で様々なアイデアが湧き出てくるお二人。こども食堂が盛況になってきたことから学生ボランティアとのマッチング依頼や、日本語を学ぶ外国籍の方をサポートしたいとの御相談を受け、「池田市社会福祉協議会」や「池田日本語ボランティア友の会」を御紹介しました。こども食堂や将来視野に入れている学習支援事業などを通じて発達障がいや貧困家庭の支援に取り組む中で、ボランティア体験を通じて学生の成長に貢献したい、知見を広げ企画力を養うほか教育福祉に関する社会の担い手になってもらえればと、社協のボランティア研修にも参加される予定です。また「友の会」の方も「しんじん・るい」のこども食堂を訪問するなど、外国ルーツの方々の居場所づくりのきっかけとなるよう両者の対話が始まっています。

他にも多方面から協力を得てのフードパントリー開催、ネットワークを活かしたイベント開催、学習支援のための助成金申請に取り組まれ、池田市との協働による出張型の野外こども食堂にもチャレンジされました。このように活動初年度にして多くの連携を実現しているのは、お二人の持つ「人と人とをつなぐ力」にあると我々は感じています。

新しい化学反応に期待

「困りごとを抱える子どもや保護者の拠りどころとなる」ことをめざす活動で対人支援の比重が大きいため、当プロジェクトではヒアリングやケース会議を経て、応談を重ねるなかで無理のない事業の拡げ方を意識しつつ市内や北摂地域のリソースとのマッチングや情報提供を随時行ってきました。その中で新しく動きがあるときは、その意図をお互いに確認しあうことで活動目的を再確認してきました。プロジェクトメンバーも実際に子ども食堂やイベントに参加させていただく中で、地域の子ども達や協力してくれる方々との丁寧で居心地のよい関係の作り方や「何か力になりたい」と思わずにはいられない活動姿勢に多くの学びを得ることができました

今後も当プロジェクトで企画している団体交流会へ参加いただくほか、彼らの築く地域のネットワークが活動の中で新しい化学反応を起こし、多様な方々の新たな居場所づくりにつながるようサポートを続けて行きます。

(NPOしんじん・るい伴走チーム/池田市公益活動促進協議会 田中尚子)

ヒアリングの様子