誰もが自然体で過ごせる場所でありたい~こらぼれひろば~

節目を迎える、子育て支援の拠点

こらぼれひろば」は、吹田市で乳幼児とその保護者や妊婦さんが、無料で気軽に集い、交流できる「子育て広場(地域子育て支援拠点事業)」を運営する団体です。地域で孤立せず、安心して子育てできるよう、年齢や性別・障害の有無に関係なく、誰もが自然体で過ごせる場所を目指して、子育て情報の提供や相談、大人や子どもが楽しめる講座・行事などを行っています。毎月テーマを決めて開催する「ちょこっとひろば」では、12月にクリスマス会、1月に防災講座を実施し、利用者のみでなく、地域の方も参加される機会となっています。

2011年8月から市の補助金を受けて運営していましたが、2025年4月からは、吹田市が重層的支援体制整備事業への移行準備を進めていることに伴い、子育て広場は「地域づくりに向けた支援(地域支援)」も行うことが必須となりました。同時に、開室日数の増加(週3日→4日)や、一時預かり事業の開始(市内の子育て広場では、当団体のみ!)などの事業拡大、また団体のリニューアルなどが迫り、一つの節目を迎えられています。そこで今回の伴走支援で、どのようなサポートが出来るかヒアリングをさせていただきました。

“想い”について考える

1回目は、ヒアリングに参加された4名それぞれがスタッフになったきっかけや、現在の活動状況などについてお話を伺いました。スタッフになったきっかけは、立ち上げ時に誘いを受けて活動を始められた方や、元々子どもと利用していた方など、様々でした。

お話を聞いて、利用者自身が安心感を得られる居場所が大切だと思いました。人それぞれの子育て方針や悩みの違いはあるけれど、気兼ねなく交流できる場所があれば、誰かと話すことで人とつながり、共に考え、情報交換することで、不安や悩みを解消できるかもしれない。こうした活動をされている「こらぼれひろば」は、来られる利用者をとても大切にされる団体だなと感じました。

2回目のヒアリングでは、これまでに作成された資料をもとに、団体として大切にしている想いを出し合いながら、模造紙に書き出す作業を行いました。事業拡大によってスタッフを増員することになり、新しいスタッフに、何を大切に活動しているかをまとめ、共有するためです。当初は、個々の想いをどのようにまとめていけば良いか迷われていましたが、それぞれのスタッフが話されていることを紙に書き出して見える化することで、整理できたのではないかと思います。最初は模造紙の一番上に“理念”と書いていましたが、理念“=大切な想い”と付け足した後に、スタッフの方が「あっ!そうか。いつも心掛けていることでいいのね」と話されながら、顔がパっと明るくなったこと、そういえば…と、スタッフさんそれぞれの意見がたくさん出てきて、想いが共有できたことに納得されていた感じがしたのがとても印象的でした。

ヒアリングの様子
大切にしたい想いを模造紙に書き出して整理

プロジェクトメンバーから見た「こらぼれひろば」

もともと吹田市は、転勤族が多いため、子育てにおいて孤立しやすい状況があるそうです。当団体は、長年活動を続けられていても、変わらず利用される側に寄り添う姿勢を持ち、話しやすい雰囲気づくりをされてきたからこそ、地域の人たちが集う場所になっていると思いました。

2回のヒアリングを通じて印象に残っていることは、メンバー同士のチームワークの良さです。必ずそれぞれお互いに「これどう思う?」と意見を求め、耳を傾ける姿勢、相手を思いやる姿勢が印象的でした。

社会環境の変化に伴い、利用者ニーズが多様化した中でも、日々柔軟に利用者に向き合って来た「こらぼれひろば」。2025年4月からの新しいスタートまでの準備について一緒に考え、乗り越えていきたいと思います。

(こらぼれひろば 伴走支援チーム|特定非営利活動法人市民活動フォーラムみのお 堀 美和)