中間支援において変わることと変わらないこと

研修の内容について

本研修は中間支援を取り巻く社会的背景や歴史・概念についての整理を行い、その上でこれから社会的に求められる中間支援の役割と可能性を提示するものでした。松原先生による指摘は以下の3つだと私は考えます。①中間支援ということばは様々な意味合いで使われているものの、本来の意味はさまざまなセクターや人・組織の連携を支援することである。②中間支援に求められるものは社会的・時代的潮流や要請と不可分な形で変化してきている。③これからの時代求められていく多主体連携のコーディネート力をつけることが、中間支援の生きる道である。以上の指摘をもとに、コーディネートの成功事例や評価方法などを簡単に説明されたところで、1回目の講座は終了となりました。

得られた学びと生じた戸惑い

①と②の二つの指摘を聞けたことは、自身にとっての大きな学びにつながりました。豊中市立市民公益活動支援センターは現在、来期からの取り組みについて考えています。話し合いの中で進みたい方向性が異なるようにみえる場面もありました。今回の講義から、方向性の違いはそれぞれが考える中間支援の意味内容の違いが関係しているかもしれないと気づきました。今後の話し合いでは前提の違いを意識したいです。また普段自センターの窓口にいると、私たちがやっていることの意義や意味について忘れそうになることもあります。私たちのやっていることが、社会とのつながりの中で必要とされ生まれたものだということを再確認し、また普段から社会の流れについても意識しておく必要性も感じました。

その一方で③の主張については、自身の中で戸惑いも生じました。なぜならば多主体連携支援は、これまで北摂プロジェクトで学んだ市民活動団体への支援の方法を、単純に他の主体へとずらしただけでは対応しきれないのではないか、と不安に感じたからです。私は北摂ともにプロジェクトへのかかわりのなかで、市民活動団体支援における団体の熱意や想いを尊重することの大切さを特に学んできました。私がかかわったどの団体も、自分たちが気づいた社会的課題や地域課題の解決への想いをエネルギーとして活動され、そのエネルギーの源に触れることが、私たちの団体支援のモチベーションにもなっていました。しかしながら多主体連携支援においては、市民活動団体以外のアクターが必ずしも同じ熱量を持っているかはわかりません。そのような団体と出会った時、私はこれまでと同様に人や組織と「向き合える」のだろうか、と思いました。

大事にすることは変わらない

以上の戸惑いは、後日自センターにてコーディネーション経験が豊富な他メンバーと感想を共有するなかで落ち着いてきました。話をするなかで、市民活動団体のみならず他の「アクター」にとっても大事にしたい想いが確かにあるのではないか、と思い至ったからです。それぞれの人たちの叶えたい事や想いを丁寧に聞き取っていくことが大切ならば、今までとやることは変わらないのではないかと思ったとき、目の前が少し開けたように思いました。

ただ一方でさまざまな団体のあいだで合意形成のもとプロジェクトを進めていく経験は、私には絶対的に不足しています。2回目の講座でその実践について聞けたのかもしれないと、参加できなかったことを残念に思うと同時に、まずは身の回りの経験豊かな人たちから学ぶことから始めていきたいです。

(特定非営利活動法人とよなかESDネットワーク 冨安 皓行)