資金調達を考えるなかで見えたこと – I FOR YOU Japan

I FOR YOU Japan」は、医療従事者、患者、遺族、そして団体の目的や活動に共感したかたがたが共に地域の問題に取り組む任意団体で、がん患者とご家族や遺族のピアサポート(同じような立場にある人がよりそって行うサポート)を行っています。主な事業は「がんサロン」「がん遺族の集い」「個別相談」で、同じ病気、同じ立場の者同士で心配ごとや悩みを自由に語り合える貴重なサードプレイスとなっています。

団体が当プロジェクトに参加されたのは、新たな事業としてECサイトを立ち上げるための資金調達を学ぶためです。ECサイトの年内オープンに向けてクラウドファンディングで寄付を集めるというのが当初の計画でした。

メンバー同士の話し合いを通じて

団体からはヒアリングにもF,Labのトレーニングにも、中心メンバーとECサイトに関わるサポーター複数人が継続的に参加していただきました。その過程を通じ、ECサイトの立ち上げにあたっては資金確保だけでなくその方向性や運用方法、事業として運営していくうえで整えていくべきことなどについてもよりしっかりと話し合う必要があることを感じられました。また F,Lab のトレーニング後にはグループミーティングでメンバーそれぞれの想いを共有したり、団体として目指すことと課題について具体的に考えていったりするなど、団体の運営面などについてもコミュニケーションを深めていかれたようです。

その結果、ECサイトはクラウドファンディングを前提とせず切り離して計画を進め、寄付集めについてはファンの獲得や団体の発展を目指し別途検討していく方向になりました。

団体の真意を汲み取り、一緒に取り組む

団体の想いを尊重し、真意を正しく汲み取る、そして一緒に取り組むということを先ず大切にしました。今回のケースも先ずはしっかりとお話を聞き、団体が望まれることは何か、どのような問題があり優先課題は何かと一緒に考えることから始まりました。

今回団体が行いたいこととしてはECサイトの立ち上げがありましたが、ECサイトの制作や運営自体については私達もあまり経験がありませんでした。そこで、実際にECサイトを運営している他団体にお願いして実際のところについてお話を聞く機会をつくり、共に学ばせていただきました。実際の例を具体的に伺ったことによって、いま団体のかたがたが知りたい情報が得られ、潜在する課題がクリアになるという効果が得られました。

当初団体が想定されていたものとは違う流れにはなったものの「見直すべき課題などがわかり必要なタイミングの時間だった」と団体のかたにも言っていただきました。

このように、こちらが思っている何かの答を出すというよりも、団体の想いを大切にし、自然な気付きが得られる場や情報を提供することを重視して取り組んでいきました。

(I FOR YOU Japan伴走チーム/市民活動フォーラムみのお 平井美矢子)

I For You JAPANのみなさん